心のノート

小さな森の音楽会 Small forest concert

なかなかクラシックの音楽を生で聞く機会を持つことができないのですが、蓼科で偶然素晴らしいチェンバロの演奏に廻り合いました。第一人者の演奏は心に染みる素晴らしいものでした。

こぢんまりした高原のホールでは演奏の後、チェンバロというものにはじめて触れて鍵盤の感触も知ることができました。ピアノはフェルトのハンマーで弦をたたくので、たたき方、つまり鍵盤を押す強さによって音の大きさが変わりますし鍵盤を離すと音が止まります。それが当たり前と思っていましたが、それより前の楽器であるチェンバロは弦を爪で引っかけるような感じで音が鳴るので鍵盤もこつんとクリック感のある感じです。音の大きさは強く押してもそっと押しても変わりませんでした。触ってみるといろいろなことがわかりました。

コンサートは、そのチェンバロとバロックフルート二人、ヴィオラ・ダ・ガンバの四人のアンサンブルでした。バロックフルートは見慣れた金属のフルートと違って木製です。演奏者との懇談もでき、柘植(つげ)の木であると教えていただきました。最初、演奏者が現れた時はまるで小学生のリコーダーかと思ったくらいです。ヴィオラ・ダ・ガンバというのはちょっと変わったフレットのあるヴィオラでバロック音楽に詳しくないのでその違いはよくわからずにいましたが詳しい方によるととても珍しい組み合わせなのだそうです。

またフルート奏者のうちのお一人は東京大学の化学の教授との二足の草鞋、しかも第一人者だそうです。確かに素晴らしいプロの演奏でした。音楽と化学の両立は、一言でまとめてはいけないのでしょうが、言うなれば右脳と左脳のバランスの妙でしょうか。

聴覚と視覚と触感そして森の匂いも含んで、豊かな経験をさせてもらいました。演奏会に行ってみるとただ音楽を聴くことを超えて、いろいろなことがわかりさらに豊穣なる心になったような気がしました。

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